今年の中国畳表の相場は、かなり強いです。
仕入れをするにも、古物の単価と比べてしまい、少し躊躇してしまう程です。
4月、5月と古物の価格も上がり、新草の登場を待っていましたが、産地業者や中国人の強気な発言の根拠を確認するため、中国の畳表工場を何軒か視察して来ました。
さっそく新草の畳表を見せてもらいました。古物は、もう消化して無いそうです。
出来立てホヤホヤの畳表はイイですね!
製品の品質については、工場によってバラつきがありましたが、概ね良いものが多かったです。
長い原草が、相対的に少ないようでした。
イ草の選別をしている。花の多い工場もあれば、花が全く無い工場もあります。白口の工場も青口の工場もあります。
織機には回転のスピードを示すメーターがついています。
工場によってスピードが違います。工場ごとの製品に対する方針の違いによりスピードは変わります。
もちろんスピードを落とせば品質も良くなりますが、生産を急ぐ工場はハイスピードで織機を回します。
そのような工場は、やはり品質は良いとは言えません。イ切れや目飛び、イ筋も悪いです。ただ、その分、同じ規格の畳表でも他の工場と比べて価格は安めです。
良い製品を生産するには、それなりに時間がかかります。それはコストに繋がります。
今年は相場が高いため、下物に注文が集中しています。下物だけを生産してくれれば助かるのですが、草の割合で上物も生産されてしまう為、バランスよく仕入れることが難しいです。
工員さんは、一日に何枚生産したかで収入が違うので、忙しいです。
上前カットした畳表
年々増えています。ゴミも減らせるし、仕事も早くかかれると好評です。
下物を中心に生産されています。
早刈のイ草は、すでに色が変わっていました。
この畳表は花も多いし、品質としてはイマイチでしたが、下物がほしい日本の業者がセットで仕入れているようです。
安くて良い商品を探すのが問屋の使命ですが、今年に関しては、このような商品でも飛ぶように売れると中国人は強気の発言を繰り返しています。
「品質が悪くても売れますよ。まだ高くなりますよ。」
どの中国人に聞いても同じこと言う。
理由は、人件費の高騰につきるようです。
なかなか人が集まってくれないそうです。10億人以上もいる、この国でそんなことがありえるの???
畳表の工場は、ホコリや泥、汚れなど人気はありません。ユニクロの工場やハイテク工場に出稼ぎに行きたいです。人を集める為に人件費が年々上がっているのは事実です。
確かに日本からの注文は結構入っているようです。
6工場見ましたが、実際気に入った工場は2工場のみでした。
たぶん誰が見ても2工場は良いと判断するでしょう。
良い工場には注文が集まりますので、この2工場は、原料のイ草が無くなるのが早いと思います。
年が明けて3月や4月に入荷する畳表は、品質がかなり落ちることが想定できます。
来年は、必ず商品が不足すると予想する業者もいます。
国内の情勢やその他の要因により、実際は、どうなるかは分かりません。
品質にこだわるのであれば、早めの手当てをされた方が良さそうです。
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